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建築家の独り言

分離発注の勘所

分離発注と聞いて建築に少し詳しい人だったり、色々な製作現場を経験している方なら誰でもが疑問に思う事があると思います。その中に、設計だけしている者が色々な専門工事業者に見積を依頼して、安くて良い物ができるのかと言う 疑問があると思います。多分、分離発注を手がけている設計事務所だったらどこの事務所でも昼夜葛藤している事だと思いますが、 ただ工事を分割して見積もり合わせをしているだけではコストはあまり下がりません。そこには設計事務所がどのような施行管理をするのか、どのくらいの品質を要求するのか、問題がおきた時にどのような対処をするのか、他の業種の工事業者との連携で無駄な労力を使う事がないかなどの事が解らないために 専門工事業者の中には見積金額を上乗せする業者がいるからです。

分離発注はただ複数の業者に見積もりを依頼してコストダウンを図るというものではありません。そこにはそれぞれの専門工事業者が安心して効率よく作業できる環境を提供する姿勢が必要なのです。そして、必ずそれぞれの業者の責任分解点を明確にした発注が要求されます。よく工務店の監督や大工の棟梁が水道屋や電気屋を呼びつけてほんの少しばかりの仕事をやらせながら工事が進んでいくのをご覧になった方もいるでしょう。でも、それではコストは下がらないのです。水道屋も電気屋もその工務店かいつも仕事を回してくれるから安い工事費でも多少の事は我慢して、営業活動の一部とでも考えて対応しているのです。

分離発注では同じ場所に複数の業者が入って作業する事は基本的にはありません。例えば水道工事を例にとると、

建物のフレームが完了すると設備業者が入ってきます。その時、全ての配管を終了し圧力検査まで行います。その後、電気工事・内装工事と進んでいきますが、最後に器具を付ける前に圧力検査を行います。その時、もし何らかの不具合が生じた場合は工事中の事故として処理する事になり、設備業者には過度の負担は負わせる事はありません。一見当たり前の事のようなのですが、それはその後の業者が配管などを破損させた事による事故ということになります。

事故については工事中の保険で処理するべき問題なのですが、建築業界全体でみるとこうしたことが不鮮明であることが多く設備業者の負担で修補する事も多々あるものなのです。工事業者もこのような対応でリーズナブルな見積もりを出す事などできないのは当然のことでしょう。分離発注を行っているとそんな事の積み重ねがあり色々考えさせられます。同じ見積を依頼するにしてもこのような事を明確に伝えられないとコストは下がらないものだからです。

 

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