[TOP・・・・] [ローコスト住宅・・・・] [Basic1500・・・・] [コラム・・・・] [Q&A・・・・] [SOGLIOLAとは・・・・] 

 

建築家の独り言

福島原子力発電所の事故を受けて

原子力発電所の事故は、今後、色々な分野に波紋を投げかけることは疑う余地の無いところでしょう。そんな中でも、その多くの事に関連している建築と言う分野から、このことについて考えてみたいと思います。

今までの様に原子力発電所を作っては電力の需要に対応する時代は終わりました。それではCO2排出の事を考えると自然エネルギーに依存しざるをえないのですが、そこにはまだまだ多くの壁が存在します。ここ数年来普及している太陽光発電ですが、いくつかの問題を抱えています。今回のような停電時には今、普及している太陽光発電では役にたたないものです。それは、太陽電池で発電した電力を直流から交流に変換して電力会社に引きとってもらう事で成り立っているからです。停電した場合は当然引きとってもらえないわけですから、発電した電力は無駄になってしまいます。それでは充電池に貯めておけばと誰でも考えるでしょう。ですが、そこにも問題があるのです。一番リーズナブルなディープサイクル鉛蓄電池を使ったとしても500回程度の充放電を繰り返すと性能が落ちてしまいます。これを今の電気代で償却しようとするとやっと出来るかというレベルです。当然リチウムイオン電池やニッケル水素電池をしようした場合、償却どころか電池すら元を取ることはできないのです。太陽光発電はその他にもソーラーパネルやコントローラー・DC-ACコンバーターなどの機器が必要になりますから、今の電気料金ではとても採算に合うものではありません。つまり、これから原子力発電所は作れない。CO2は出せないので火力発電所は運転できないとなると今までの便利な生活はとても維持することは難しいことになるからです。当たり前の様にヒーターやモーターを使用するシステム自体に見直しが求められることでしょう。それは単なる省エネという生活意識を超えて、経済原理やそのシステムに至る広範囲な変革や、今までにない技術革新が求められる時代がくるのかもしれません。何年か経って今の建築を見た時、昔の建築はなどと思うのでしょうか。そう思える様にしたいものです。

Return